先週(11/5-11/9)はGrenoble Palais des Sports でRencontres Ciné Montagne という山の映画祭がありました。私は最終日の土曜日(11/9)に見にいってきました。広い会場は満員で、すごい熱気でした!
会場で:
会場に入ってうろうろしながら、ふと前をみるとトレイルランナーのFrançois D’Haeneがすぐ近く(半径1メートル以内ぐらい)にいました。落ち着いたオーラで、とっても大きかった!同じ空気を共有でき満足!
このイベントの司会は、ジャーナリストのThibault Leducとトレイルランナー/スカイランナーのHillary Gerardiでした。アメリカ人の彼女はグルノーブルに住んでいたことがあり、今はシャモニーに住んでいるそうです。ハキハキしゃべってとても感じが良かったです。動画を見たら、走りもすごい!
シルヴァン・テッソンという人:
会場には、スポンサーのブースや、山や旅に関する本や写真のコーナーなど色々あったので、映画が始まる前にあたりをブラブラ。友人がシルヴァン・テッソン(Sylvain Tesson)という作家のことを教えてくれて、面白そうだったので、彼の本を1冊買ってみました。シルヴァン・テッソンは、地理学者で冒険家で作家の彼は、フランスではとても人気だそうです。全然知らなかった~。
ヒマラヤ(ブータンからタジキスタンまで5000km)を5か月かけて旅したり、極寒のシベリアで6か月間も1人で暮らしたりと、やることがすごいです。彼はパリ生まれで、ノートルダムにもよくよじ登っていたそうです。(高いところは景色が綺麗なので、高いところが大好きだそう。)
色々な本があって迷いましたが、彼の本を1冊買ってみました。
「Sur les chemins noirs」(直訳すると、「黒い道で」)というこの本は、シルヴァン・テッソンが2015年の夏から秋にかけてフランスを徒歩で縦断した時のお話です。世界中を旅している彼ですが、転落事故のあと動けなくなり病院で過ごします。リハビリのために病院の中を歩くようにお医者さんに言われましたが、それなら自然の中を歩いた方がいい!フランスを徒歩で縦断しよう!と思いつき、あえて都市化されてないない誰も行かないような村や、草が生い茂っているような荒れ地を通るルートを選んで歩いたとのこと。考えることがすごい!まだ読み始めたばかりですが、ゆっくり読み進めたいと思います!
シルヴァン・テッソンの動画をみつけました。怖くてちょっと近寄りがたいおじさんです。
映画:
この日上映されたのは、トレイル、山スキー、登山、パラグライダー、ハイラインなど色んなジャンルの6つの映画。映画の詳細はこちら。(仏語です。)
- 「L’Echappée Belle」:ウルトラトレイル(Belledonne avec François D’Haene)
- 「Un Printemps suspendu」:山スキー(マッターホルン、モンブラン、アイガー)
- 「Fly the Alps」:登山とパラグライダー(スロベニアからモナコまで7つの国を横断)
- 「CHANGABANG – Les miroirs d’une répétition」:山岳部隊のヒマラヤ登山訓練
- 「Red Lake party」:ハイライン/スラックラインとバンジージャンプ(クロアチアのRed Lake)
- 「Mbuzi Dume」:片足(松葉づえ)でキリマンジャロ登頂
上映前には、会場の天井から、山岳救助隊の人が降りてきて、怪我した少年を助けるというパフォーマンスもありました。それから、山岳救助隊の人の話があって、「山はワクワクする冒険のフィールドだけど、同時に危険な場所です。死がとても近くにあります。亡くなった方のことを祈りましょう。」と、会場にいるみんなで起立して山で亡くなった方を思って祈りをささげる時間がありました。映画の上映前に、こういう時間をとるのは、とてもいいなぁ。
個人的に気に入ったのは、2の山スキーの映画「Un Printemps suspendu」と6のキリマンジャロの映画「Mbuzi Dume」かな。2は山がとても綺麗。6は、山で挑戦をすることの意味、仲間、助け合いのことなどを考えさせられる映画でした。1の「L’Echappée Belle」は、自分も走ったことがあるレースだけど、こうしてみると、改めてベルドンヌは綺麗だなぁ、そしてこのコースを24時間かからずに走ってしまうFrançois D’Haeneは、本当に異星人だなぁ。私は40時間以上かかりましたよ。。。3と5は、面白くておしゃれな感じでした。森の中で木にハンモックをくくりつけて、ゆらゆらとくつろぐ姿がとっても楽しそうで、私もハンモックが欲しくなった!4は知らない世界のことで驚きました。
久しぶりに以前のランニング仲間にも会えて、約5時間、映画漬けでとってもいい時間でした。
家に帰ってから:
家に帰って、ぼけーっとしながら、ふと、山と外国語ってなんかちょっと似てるなぁ、と思った。
山も外国語も冒険心をくすぐる未知の世界っていう点で。
- 山を見ると、あぁいいなぁ!あんなところ、のぼれるのかなぁ。のぼれたらすごいなぁ。と思う。
- それで、山に行くために色々準備して、少しずついろんな山に行けるようになってくる。
- 初めての山に行くときは、いつもドキドキ。
- 山で友達が一緒だと、1人じゃやらないような新しいことに挑戦できたり新しい発見があったりする。
- ハンディキャップが、逆に、たくさんの人を巻き込んだり、たくさんの感動をあたえる力になったりする。(6 の映画で感じたこと)
- 目指すところが高すぎると、そのギャップにへこんで疲れて、山自体が嫌いになってしまいそうになる。
- でも、山で会った人と交わすちょっとした会話、途中の景色や動物、変な看板など、小さいことが実はとても楽しい。
- 外国語を初めて見たり聞いたりしたときは、意味不明で何も分からない!でも分かったらすごいなぁ、と思う。
- それで、外国語がもっと分かるようになりたい、とあれやこれやと試して続けてると、少しずつ分かるようになってくる。
- 初めて覚えたことを使ってみるときは、通じるかな~といつもドキドキ。
- 友達が難しいことをやさしい言葉で言い換えてくれたり、質問に答えてくれたりすると、1人じゃ分からないことも分かったりする。
- ネイティブのように上手に話したり理解したりできないことが、逆に、たくさんの人を巻き込んだり、たくさんの感動をあたえる力になったりする。
- 目指すところが高すぎると、そのギャップにへこんで疲れて、外国語自体が嫌いになってしまいそうになる。
- でも、新しい言葉を知ったりとか、誰かとちょっと話せたりとか、変な勘違いとか、日常の小さいことが実はとても楽しい。
そんなわけで、小さいことにいちいち喜びながら、山と外国語を続けていこうと思います。
A chacun son sommet (めざす頂上は人それぞれ)
cf.
Vidéo : 会場の様子(火曜日)