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斎藤道雄さんの本『手話を生きる』

斎藤道雄さんの『手話を生きる』という本を読みました。最近、ろうの人と知り合う機会があって何となく気になっているテーマだったので読んでみたのですが、知らないこと、誤解していたことばかりで衝撃の内容でした。

ろう者に対しては、聞こえないというハンディのある可哀そうな人、というイメージを持っていましたが、本の冒頭でいきなりそのイメージを一気に崩されました。ろう者同士は手話によって豊かなコミュニケーションができていて、自分たちのコミュニケーション方法に自信を持っているので、あえて聞こえるようになりたくはない、というのです。ろう者が、聴者(聞こえる人)と同じような方法でコミュニケーションできることを目指す、というのは、聴者の考え・希望であって、ろう者の思いとは一致していないというのは驚きでした。

『手話を生きる』斎藤道雄

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SABU監督の映画『Mr.Long ミスター・ロン』

Arte で、SABU監督の映画『Mr.Long ミスター・ロン』をやっていたので、見てみました。

この映画は2017年の映画で、ベルリン国際映画祭コンペティション部門にも出品されたのだそう。実は私とSABU監督との出会いは古くて、たしか高校生の時に『弾丸ランナー』(1996)を見たのが最初だと思う。疾走感がすごくて、話の展開や、映像の見せ方、音楽が面白くて、おおぉー!こんな監督がいるんだぁ!!と感動したことを思い出しました。それ以来、『ポストマン・ブルース』(1997)、『アンラッキー・モンキー』(1998)などまでは見てましたが、最近は忘れかけていて今回ネットで偶然SABU監督の映画を見つけたので、さっそく見てみたというわけ。

この映画の主人公は殺し屋で、殺人のシーンがたくさんあってちょっと嫌でしたが、やっぱりSABU監督の映画は好きだなぁ。殺し屋にとってナイフは殺人の道具ですが、彼は料理も上手なので、包丁をたくみに使って色々な料理を作り、その料理がきっかけで回りの人たちとの交流が生まれていきます。ナイフも包丁も両方切る道具だけど、不幸のきっかけになったり、一方で幸せをうむきっかけになったり。殺し屋の中にある人間的な部分、人の強さ、弱さについてしみじみと考えさせられます。特に野球のシーンは、じんわりとあたたかくて涙がでそうでした。子役のジュンは、本当にかわいい。スピード感、画面の見せ方、間のとり方の上手さはパワーアップして健在でした!

この映画、8月29日までネット上で見られるようになっています。暴力や殺人のシーンが多いので、子どもや敏感な方にはおすすめしません。そういうアドバイスが以下のサイトにも書いてありますが、[poursuivre](つづける)のボタンを押すと映画本編が見られるので、興味のある方はぜひ。最初の設定はフランス語版になってますが、吹き出しをクリックすると原作(日本語版)に変更できます。

ARTE :  SABU監督の映画『Mr.Long ミスター・ロン』
Dangan Runner (弾丸ランナー)
Postman Bleus(ポストマン・ブルース)
Unlucky Monkey (アンラッキー・モンキー)

古川日出男さんの『おおきな森』

Youtubeで、古川日出男さんの朗読を聞いて、これは凄そうと思って、本も読んでみたら、やっぱり凄かった!

本のタイトルにある「森」という漢字も、漢字の森じゃなくて、その下にもう3つ、木が入っているように、この本の中には、漢字の読み、意味、形をつかった遊びがたくさん入っていました。文字の書き方(縦書き、横書き、空白)にもすごく心を配って書いていて、読みながら惚れ惚れです。あらためて思うけど、日本語には、漢字、ひらがな、カタカナと3種類もの文字が入っていて、他の外国語と比べてもとっても表現力が豊かだなぁ、と。ためしに「すごい!」をいろんな書き方で書いてみたら、やっぱりニュアンスが違ってて、面白い。
すごい!
スゴイ!
凄い!
SUGOI !

この本を読んでいると、なんだかジェットコースターにのっているような気分でした。というのも、文のリズムがバシバシ切りわって、ゆっくりと静かに進んでいるかと~と思ったら急にドドドドドッと展開が早まったり、シリアスな話の中に、サラっと爆笑ネタが入っていたりで。こんな小説が書けるのは、本当にすごいなぁ。古川日出男さんは、小説を書くだけでなく、舞台をやっている人らしく、会話はとてもリズミカルで面白かった。
この本の中には、坂口安吾や宮沢賢治の他、ガルシア・マルケス、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、フリオ・コルタサルなど、彼が影響を受けた作家の名前がたくさん出てきた。こんなすごい本を書く人が影響を受けた作家たちは、どんな人たちなんだろう。そっちにも興味がでてきた。
個人的には、本の登場人物の中では、振男・猿=コルタ(フリオ・コルタサル)が、お気に入りです!

まずは、朗読を聞いてみて、もし興味があったら本もぜひ読んでみてください。

cf.
【朗読】『おおきな森』著者・古川日出男が魂の朗読。【第一の森】
【朗読】『おおきな森』著者・古川日出男が魂の朗読。【第二の森】
【朗読】『おおきな森』著者・古川日出男が魂の朗読。【消滅する海】

上毛かるた

この前の金曜日の日本語のアトリエでは、日本のお正月の話を少ししたあと、「上毛かるた」で遊んでみました。ふつうにかるたとりをして遊んだあと、好きなひらがなのカードを選んで単語を作ってみたり、どの絵が好きかなどを話したり。「さむらい」「にく」など、みんな思い思いに好きな単語を作ってました。

私が特に好きなカードは、この5つ。
・す  裾野は長し 赤城山    (きれいな山~)
・せ  仙境尾瀬沼 花の原    (水芭蕉がきれい)
・ふ  分福茶釜の茂林寺     (たぬきがかわいい)
・み  水上谷川 スキーと登山  (白いところに人が1人)
・よ  世のちり洗う 四万温泉   (はだか!)

ちなみに、上毛は、群馬県の昔の呼び方で、上毛かるたは、群馬県の歴史や地理などが盛り込まれたかるたです。年末に帰省したときに購入して、初めてじっくり見てみたけど、絵がきれいだし、カードの裏には名所や名物、有名人などの詳しい説明もついてて楽しいし、すばらしいカルタだ~!

cf. 上毛かるたの一覧

おりがみ(ねずみ)

折り紙会館で買った折り紙(日本の色 ORIGAMI)で、ねずみを折ってみました。浅葱色や桜色、若竹色などなど、日本の伝統色の折り紙です。綺麗でやさしい色~。

冬休み (日本でお正月)

冬休みは、約2週間日本で過ごしてきました。
フランス・グルノーブルでの生活も今年で7年目になったので、日本での生活が逆に非日常で、旅行に来ているような気分でした。今回は、一緒にいて楽しいなと思う人、素敵だなと思う人、大事にしたい人などにたくさん会いにいった旅で、終わってみると、2週間があっという間!

こんな感じの2週間でした。

1日目:12月23日(月) 
午後、グルノーブルを出発してバスでリヨンの空港へ。そこからパリ経由で羽田空港まで。

飛行機の中でみたセリーヌ・シアマ(Céline Sciamma)監督の「Portrait de la jeune fille en feu (直訳すると、炎に包まれた若い女性の肖像画)」(2019)という映画がとてもよかったです!この映画は、2019年のカンヌ映画祭で脚本賞を受賞した作品だそう。舞台は18世紀、フランス北西部のブルターニュ地方にある島。1人の女性画家、マリアンヌ(Marianne)が、伯爵夫人の依頼をうけて、これから結婚するという彼女の娘、エロイーズ(Héloïse)の肖像画を描きに来ます。
マリアンヌ役のノエミー・メルランとエロイーズ役のアデル・エネルの演技が素晴らしくて、ぐんぐん引き込まれました。映像もとてもきれいで、そのまま絵にしてもいいような場面がいくつもありました。音楽も映画の雰囲気とよくあっていてよかったです。細かい演出も色々あって、たぶんもう一度みたら、また新たな発見がありそう。ラストのエロイーズの表情が意味深です。断崖絶壁の荒々しい海辺の景色が綺麗で、ブルターニュ地方に旅行したくなりました。きわどい場面もわりとたくさんありましたが、飛行機が乱気流に入ると、ポン!という音がなってアナウンスが入り映像が停止するので、時々そういう場面で映像が停止してしまって、ちょっと恥ずかしかった。。。

cf.
- 予告編 Portrait de la jeune fille en feu (これだけでも映画の雰囲気がよくわかります。)
- セリーヌ・シアマ監督と2人の女優(アデル・エネルとノエミー・メルラン)のインタビューの映像 (3人ともかっこいい!)

2日目:12月24日(火) 
夜19時ごろ羽田空港に到着。着いたら、母が迎えに来てくれていた。「男梅グミ」っていうグミをくれたので食べてみたら美味しくてとまらなくなって、一気にひとふくろ完食。。。HARIBOはあまり好きじゃないけど、日本のグミは、硬さや味付けがほどよい感じで好き。外国人が日本のグミを食べたら、別の感想をもつのかなぁ?

3日目:12月25日(水)
フランスのレースで知り合った友人と都内で再会。少し走ったあと南インドのカレーを食べた。外国で知り合った友人と、こうやって日本でも会えるのは楽しいな。南インドのカレーはわりとサラサラしていて何種類もあってたべごたえあって、パパドはパリパリで美味しくて、ビリヤニ(炊き込みごはん)はスパイスが効いてて、これも美味しかった。

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茶道と焼物の講演会

先週は、大学で茶道と焼物の講演会がありました。茶道家で、日仏茶道交流会の代表もつとめていらっしゃる森宗勇(もりそうゆう)さんと、高取焼の16代目の亀井久彰(かめいひさあき)さんによる講演でした。ストの影響で、開始時間が1時間以上遅れてしまって、どうなることやらと思いましたが、なんとか無事終わってよかったです。それにしても、ストライキの影響で交通機関が乱れて、電車が10本に1本だけの運行になったりという状況の中、茶道の道具や、展示用の作品といった大荷物をかかえて、日本からはるばるグルノーブルまで来るのは、本当に大変だったかと思います!

茶道と焼物
茶道のデモンストレーションの前には、抹茶の歴史のお話や、茶道と焼物の切っても切れない関係、代表的な茶人:千利休(せんのりきゅう)、古田織部(ふるたおりべ)、小堀遠州(こぼりえんしゅう)の紹介とそれぞれの茶人のスタイルなどの話がありました。古田織部が千利休の弟子になるまでの小話は特に面白かったです。

織部は利休の弟子になって茶道を学びたいと思っていましたが、利休は弟子をとらない主義だったので、織部はなかなか弟子入りを認めてもらえなくて、断られ続けていました。それでも、弟子になりたい一心で、めげすにも頼み続けたら、ある日、利休が織部に言います。「じゃ、私の庭を掃除することから始めなさい。」と。
織部は、弟子になれる日を夢見て、来る日も来る日もチリ1つ残らないように綺麗に利休の庭を掃除しました。でも、利休はなかなか認めてくれません。というのも、利休の感性は、「わび、さび」で、例えば、花は、咲き誇ってるときだけじゃなくて、枯れて散ったあとも美しいんだ、という美意識だったので。枯れた花も全部綺麗に掃除してしまってはだめだったようです。それで、織部は全てをきっちり綺麗に掃除するのでなく、枯れた花や散っている花をあえてそのままに残しておくようにしました。それで、ようやく弟子入りを認められたとのこと。
利休はいつも、「人と違うことをせよ」と言っていました。織部はその教えを守って、利休のわびさびとは対照的な大胆で自由なスタイルを確立します。織部の後、戦乱の時代が終わり平和な時代になると、上品で綺麗な小堀遠州という茶人が登場します。個人的には、遠州の上品なスタイルより、織部の動的で破調のスタイルに惹かれました。

高取焼
高取焼というのは、初めてみましたが、とっても色が綺麗でした。伝統的な高取焼は、茶色っぽい色が特徴ですが、今回いらした16代目の亀井久彰さんの作品は、ブルーでつやつやしていてとっても綺麗でした!焼く前の段階で、土に鉄分をまぜておくと、こういう綺麗な色が出るそうです。同じ釉薬でも火加減によって色や模様が色々変わるそうです。陶芸って、科学だな~。

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日本語のアトリエ@図書館

先週の金曜日に、市の図書館で日本語のアトリエをしました。
アトリエで使えるような何かいい絵本はないかなぁ、と探していたときに、和田誠さんの「ぬすまれた月」という絵本をみつけてとてもいいと思ったので、今回はこれを使うことにしました。アトリエでは、まず絵本を一緒に読んでから、本の内容に関することなど、自由に会話しました。

私は、詩人の谷川俊太郎さんや作家の星新一さんが好きで、和田誠さんのイラストは彼らの作品の表紙にもよく使われていたので何度も見たことはあったんですが、和田誠さん自身については、そんなによく知りませんでした。和田誠さんが今年の10月7日にお亡くなりになったというニュースをみて、改めて和田誠さんってどんな人なんだろ?と探していたときに、「ぬすまれた月」という本に出会いました。

この絵本では、イラストだけでなく、文章も和田誠さんが書いているということで、面白そうだな、と思って読んでみたら、すごくよかった!内容が深くて、子どもだけでなく大人も楽しめる感じです。月が大好きな男が毎日月を眺めて楽しんでいるところから始まるこのお話。展開が面白くて、月の満ち欠けや日食、月食、潮の満ち引きなど、関する科学的な内容もところどころに挿入されててイラストもかわいくて、素敵でした~。参加者の方々も、気に入ってくれたようです!


次回のアトリエは、12月20日(金)の18時からの予定です。絵本等の作品は、日本語とフランス語の両方で読んで、会話も日本語とフランス語まぜてしますので、日本語が全然わからなくても大丈夫です。興味のある方は、ぜひいらしてくださいね!

cf.
Wada Makoto
Bibliothèque municipale internationale

フランス語のお勉強:Fransugo!

グルノーブル・アルプ大学の日本語科を今年卒業した、私の教え子のトマさんが、「フランス語を勉強したい日本人のお手伝いがしたい!」ということで、インスタグラムのアカウントFransugo!に、フランス語の単語、文法、表現が定期的にアップしてくれています。
チラっと見てみたら、なぜ、その単語を選んだの?という謎も多いけど(笑)、とっても面白いです。
興味のある方はぜひ見てみてくださいね。
彼は、今度日本にワーキングホリデーに行く予定だそうです。がんばってほしいです!

cf.
Fransugo!

Lilies of the valley

ラジオ”France culture”の、”La Grand table culture“のコーナーの冒頭でいつも流れいてる音楽が素敵だなぁと思って調べてみたら、日本人の作曲家、三宅純さんの『Lilies of the valley』という曲でした。この曲は、ドイツ人の監督、ヴィム・ヴェンダースの作品『Pina』(2011)でも使われています。この映画は、彼が、2009に亡くなったドイツの振付師ピナ・バウシュのために作った映画だそうです。Youtubeにも、たくさん動画がありました。ダンスがかっこいい!予告編見たら、映画も見たくなりました。

cf.
Lilies of the valley ( Jun Miyake. Pina – Wim Wenders (Germany))
Pina (2011) – Official Trailer
Lilies of the valleyDance Americana という映画の映像と合成されてます。(かわいらしくて、こっちも好き)

浮世絵展:Montagne et paysage dans l’estampe japonaise

先日、グルノーブルの美術館でやっている浮世絵展に行ってきました。
葛飾北斎の富嶽三十六景 や、歌川広重の東海道五十三次をはじめとして、130点以上の作品がかざってあり、見ごたえがありました。

人物や動物が細かく描かれているので、近くでみると面白かったです。
(白い生き物の集団は、遠くから見たときは、フラミンゴかと思いましたが、近くで見たら狐でした!) その他にも、役者の絵や、姥捨山の伝説の絵などもありました。

姥捨山(うばすてやま)の伝説は、フランスでも有名なようです。
私は、ミシェル・オスロというアニメーション映画の監督のファンなんですが、以前見た彼のオムニバス映画『プリンス&プリンセス』の中にも、この姥捨山からインスピレーションをうけたのかな、というシーンがありました。
日本とフランスの深いつながりを感じた日でした。

東海道を走ってみたくなった!

美術館のサイトから、展示の様子やビデオが見られます。
cf.
浮世絵展:Montagne et paysage dans l’estampe japonaise
ミシェル・オスロ 『プリンス&プリンセス』
ミシェル・オスロ 『プリンス&プリンセス』 あらすじなど

古今亭志ん生の落語

友達が、古今亭志ん生(ここんていしんしょう)の落語にすごくハマっているので、そんなに面白いのかな、と思って私も聞いてみました。
最初は、もごもご、むにゃむにゃ言ってて、なんだか聞きづらいなぁ、と思うんですが、聞いてるうちに、どんどん引き込まれます。勢いがあって、間の取り方が上手で。お客さんもすごく楽しそうに笑ってます。
最近は、疲れて本を読んだり動画を見る気分じゃないときも、志ん生聞いて一人で笑ってます。
こちらは、古典落語の演目の「あくび指南」。何をやっても不器用な熊五郎が、友人の八五郎と一緒にあくびを習いに行くというお話。10分弱の短い話で、面白かったです。

古今亭志ん生「あくび指南」
古今亭志ん生「まんじゅうこわい」:このお話は、小さい時から好きでした。志ん生が話すとこんな風になるんだな~。

濱口竜介監督の恋愛映画『寝ても覚めても』

『寝ても覚めても』を見ました。
綺麗な、恋愛映画でした。主人公の女の子(朝子)の行動が理解できず、イライラする場面が多かったですが、朝子をとりまく友人たちは、とても良かったです。ラストは、なんだか希望が持てる感じでした。
見終わってしばらくしてからも色々と気になるところのでてくる映画で、よく考えてみると朝子の気持ちも少しわかるような気もしてきました。
フランス語版のタイトルは、『寝ても覚めても』ではなく、『ASAKO I&II』でしたが、チケット売り場でフランス人がアザコと言っているのに、ウケました。(フランス語だと、sa の発音は、サじゃなくてザになるんです。)
それにしても、アザコって・・・痣(笑)

cf.
予告編:濱口竜介『寝ても覚めても』
フランス版の予告編 : “ASAKO I&II” de Ryusuke Hamaguchi

「ボクは5才」

湯浅 憲明監督の、「ボクは5才」 (1970公開)という映画を見ました。
5才の男の子が、出稼ぎ中のお父さんに会いたい一心で、高知から大阪 まで (約400km !) を1人で無銭旅行をする話です。
5才の小さな男の子なのに、やることが大人よりずっとたくましくて、ちゃんと自分の意志があって、すごいなぁ、と尊敬してしまいました。
タバコやのおばさん役のみやこ蝶々さん、面白かったです。
作品中に出てくる、アンパン、うどんは、とっても美味しそうでした。
ラストは、感動的で、思わず涙が出てしまいました。

cf.
映画:ボクは5才 (1970公開) 
Wiki ボクは5才

ラジオ – Radio Campus Grenoble 90.8 –

キャンパスのラジオ(Radio Campus Grenoble 90.8)で、番組をやらせてもらえることになりました。
日本の文化を、主にフランス語で紹介します。
日本の暦や俳句、映画、地方、料理、歌など、いろんな話題をとりあげます。
番組のタイトルは、omusubi。
月に2回、日曜日の夜21時からです。
第1回目は、9月16日の日曜日です。
興味のある方は、聞いてみてください。

cf.
Radio Campus Grenoble 90.8

皇太子さまが、グルノーブルを訪問

先日、皇太子さまが、私の住んでいる町、グルノーブルを訪問されました。
現地で働く日本人研究者や、日本語を学ぶ学生たちとも、交流されていました。
ニュースをみたら、よく知っている先生方や学生が映っていたので、びっくりしました。

cf.
テレ朝News : 訪仏中の皇太子さま 科学分野の研究拠点を視察

河瀨直美監督の『二つ目の窓』

Arteで、河瀨直美監督の『二つ目の窓』(2014年公開、仏題:Still the water)を見ました。
「あん」という映画の時も感じたけど、河瀨直美監督は、景色を撮るのが上手だなぁ、と思いました。
海、ガジュマルの木が、とても綺麗でした。
ガジュマルの木は、神々しくて、いつか奄美黄島で本物を見てみたいと思いました。
カフェのシーン、家族そろって、縁側でねそべってるシーンなど、こころあたたまるシーンもたくさんありました。
感動的なシーンに、奄美の伝統的な音楽や踊りがあいまって、思わず、涙腺がゆるみました。

16歳の少年、界人はを演じているのは、歌手のUAさんの息子、村上虹郎さんです。
UAは、高校・大学生のころ、好きでよく聞いていました。特に、「情熱」「雲がちぎれる時」が好きでした。
今聞いても、とてもいいです。

 

今日は、夏至。

毎日暑いです。
今日は、夏至。北半球では、一年で一番昼間が長くなります。ここで一句。
  夏至ゆうべ地軸の軋む音少し 和田悟朗
夏至とか冬至とかの機会には、なんだか地球に思いをはせてしまいます。
和田さんも、地球のことを思っていたら、地軸の軋む音が聞こえたんでしょうか。
夏至つながりで、もう1句。
今度は、夏至ではなくて、『ゲジゲジ』です。
ゲジゲジは、あの気持ち悪い虫です。ゲジ科の節足動物で、ゲジゲジは俗称だそうです。
  遁走のげぢげぢの脚揃ひけり 村上喜代子
ゲジゲジが、一生懸命足を動かして急いで逃げている様子が目にうかんで、気持ち悪いです!

梔子(くちなし)の花

6月になりました。
実家の庭にも、いろんな花が咲いてます。photo by 母。
梔子、紫陽花、ムラサキツユクサ、ドクダミなど。
白くて綺麗な花は、梔子(くしなし)。
梔子は、とってもいい香りがします。
沈丁花、金木犀とならぶ、三大香木の1つで、甘くて優雅ないい香りがします。

今日の俳句:
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– 今朝咲きしくちなしの又白きこと  星野立子
– くちなしの香や尼寺はこのあたり  黛 執

意味:
– 今朝咲いたくちなしのなんて白いことでしょう。 星野立子
– くちなしの香がするなぁ。尼寺はこのあたりかな。 黛 執
———————————————————

星野立子の句は、梔子の白さ、黛執の句は梔子のいい香りを感じますね。
みなさんはどっちの俳句が好きですか。

cf.
梔子(くしなし)

落語 ~笑いは文化のかけはし~

友人がうちに泊まりにきました。友人の劇団時代の後輩には、落語家になった人がいるそうです。
古今亭文菊(ここんていぶんぎく)という名前で活動している、ということなので、ネットで動画をさがして、一緒に見てみました。
とっても面白かった!身振り手振り、しゃべり方、間のとりかた、スピードの変化など絶妙で、すっかり彼の世界にひきこまれました。
日本には、こんなに素晴らしい伝統文化があったんだなぁ。
フランス人でも、落語をやる人がいるのかなぁと思い、さがしてみたら、二人みつけました。
Stéphane Ferrandezさんと、Cyril Coppiniさんです。
それぞれスタイルは違うけど、二人とも上手でした。笑いの力はすごい!

cf.
古今亭文菊 『芝浜』
– Stéphane Ferrandez : Qu’est-ce que vous faites au Japon – 
– Cyril Coppini / On s’fait tourner le chozu / Japan Tours Festival 2016
– Rakugo

あん:Les délices de Tokyo

Arteアルテ:独仏共同出資のテレビ局)で、河瀨直美監督の映画『あん』(仏版タイトル:Les délices de Tokyo)es délices de Tokyo)が放送されていたので、見てみました。2015年の映画で、評判がよくて見たいと思っていたけど、見逃してしまったので、見られてよかったです。
桜の咲く東京の景色はとても綺麗で、丁寧に描かれた物語に心をうたれました。樹木希林、好きだなぁ。どらやきが食べたくなりました。
5月20日までネットで公開されているので、興味のある方は、ぜひ見てみてください!
日本では、彼女の最新作『Vision』(主演:ジュリエット・ビノシュ、永瀬正敏)が6月8日から公開されるそうです。
フランスでは、11月23日からパリのポンピドゥセンターにて、大々的な河瀬直美展が開催されるそうです。行ってみたいなぁ!
cf.

石鹸玉(しゃぼんだま)

実家から、GW休暇の時の写真やビデオが送られてきました。
妹の子どもやいとこの子どもたちが集まって、庭でみんなでしゃぼん玉をしていました。
なんてのどかな光景~。
上手にしゃぼん玉を作る子、小さくてまだしゃぼん玉をふけない子、しゃぼん玉におおはしゃぎの子、なぜかしゃぼん玉を怖がる子、しゃぼん玉には興味を示さず一人で違う遊びをする子などいろいろで、見ていておもしろかったです。

今日の一句:

石鹸玉まだ吹けぬ子も中にゐて 中西雅子

俳句 (リズムと季語と切れ)

最近、なにかと俳句にふれる機会が多かったので、俳句について、改めて調べてみました。
俳句は、五、七、五の十七音からなる日本の詩で、世界で一番短い定型詩です。

俳句の基本は、「五七五のリズムにのせる」ですが、この他にも、大事なことが2つあります。
それは、「季語」と「切れ」です。
「季語」は、季節をあらわす言葉で、1つの俳句に1つだけあります。
「切れ」は、一句の意味やリズムをあえて切って、間をつくり余韻を生むためのものです。

俳句を3つ紹介します。
1つ目は、松尾芭蕉の句、2つ目は小林一茶の句、3つ目は、種田山頭火の句です。
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1 ”古池や 蛙飛び込む 水の音” 芭蕉

この句の季語は、蛙で、季節は春です。「古池や」と「蛙飛び込む」の間に切れがあります。「や」は切れ字※。
英語訳:The ancient pond / A frog leaps in / The sound of the water (Translated by Donald Keene)

※「切れ字」:切れを生むために挿入する語。
主な切れ字には、「けり、なり、をり、なりけり、ぬ、や、かな、ぞ、よ」があり、詠嘆、完了、呼びかけ等の意味があります。
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2 “蟻の道 雲の峰より つづきけん” 一茶

この句の季語は、雲の峰(入道雲)で、季節は夏です。切れは、「蟻の道」と「雲の峰より」の間です。
英語訳:The line of ants / seems to start / from the towering clouds (Translated by Haruo Shirane)
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3 “分け入っても分け入っても青い山” 山頭火

この句には、季語も切れもありません。
英語訳:Wading through / And wading through / Yet green mountains still (Translated by Hisashi Miura and James Green)

シンプルでインパクトがすごいです!!
山頭火はこんな風に、無季の自由律俳句をたくさんよんでいます。
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俳句のくわしい意味や、作者についてもっと知りたい方は、以下を参考にしてください。

cf.
古語辞典「古池や蛙飛び込む水の音」
古語辞典「蟻の道雲の峰よりつづきけん」
「つぶやきの句」漂泊の俳人 種田山頭火

俵万智さんとコップ

小学校のとき、水泳教室に通っていて、教室の帰りにミスタードーナッツでドーナツを買って帰るのが楽しみでした。ドーナツを買うと、ポイントカードがもらえて、ポイントをためるとプレゼントがもらえるんです。そんなこんなで我が家には、お弁当箱やポーチなどのミスドのグッズが結構ありました。
最近ちょっと俳句のことを考えていたら、ふと、昔、ミスドでもらったコップのことを思い出しました。コップには、俵 万智(たわら まち)さんの短歌※が書いてありました。

当時、俵万智さんの歌集『サラダ記念日』は、ベストセラーになっていました。
彼女の代表作は、なんといっても、これでしょうか。

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「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
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私は、このコップのおかげではじめて、こういう現代的な短歌を知って、おもしろいなーと思いました。

ちなみに、インタビュ―の際の彼女の証言によると、実際、美味しいとほめてもらったのは、サラダではなく、唐揚げだったようです。いい短歌を詠むには、場合によっては、事実をそのまま使うんじゃなくて、想像力も大事なんだなぁ!
ミスタードーナッツのサイトをみたら、90年代のなつかしグッズのページに、このグラス(俵万智・恋の記念日グラス)が紹介されていてびっくりしました!

cf.
ミスタードーナッツ:1990年 なつかしのオリジナルグッズ『俵万智・恋の記念日グラス』

※俳句と短歌
俳句や短歌は、日本文化を代表する定型詩です。
俳句は、五七五のリズムにのせますが、短歌は少し長くて、五七五七七のリズムにのせます。
また、俳句には、基本的に季語が必要ですが、短歌にはこのルールはありません。
俳句では、恋について詠むことは少ないですが、短歌には恋の歌が多いです。

ライラック


散歩の途中、甘いいい香りがしてきました。
ライラックの花が満開!
ライラック(Lilac)は英語、リラ(Lilas)はフランス語由来の呼び方だそうです。
ちなみに和名は、紫丁香花(むらさきはしどい)。
花の色は、紫や白やピンクや、いろいろですが、それぞれ花言葉も違うようです。
ライラックの花びらはふつう4枚ですが、ときどき5枚のものもあって、幸福をもたらすそうです。

花言葉などのもっと詳しい情報は、以下のリンクからどうぞ。
東京スカパラダイスオーケストラの『追憶のライラック』も、なかなか素敵です。

cf.
ライラック - 花言葉、色、香り –
『追憶のライラック』 東京スカパラダイスオーケストラ

衝動買い

南部鉄でできた、ドラえもんを衝動買いしました。
お湯やお茶をわかしたり、ごはんを炊いたりするときに、このドラえもんを鍋に入れて一緒に煮ると、鉄分が補給できるそうです。
貧血気味の人におすすめこと。
私は血行が悪くて、長年貧血に悩まされています。
これで、体調がよくなるといいな。

cf.
Amazon : オーエスケー ドラえもん I`m Doraemon 南部鉄器 南部鉄玉 TBN-1

豆を煎る

最近、よく豆を煎っています。
日本にいた時は、まさか自分が豆を煎る日が来るとは思っていなかったけど。
節分の時、豆まき用に煎って以来、なんだか楽しくて、続けています。
使う豆は、Bio の店などに売っている「SOJA JAUNE」という豆、いわゆる大豆です。
素朴な味で、ポリポリして美味しいです。
アレンジレシピで、 大豆のプラリネというのみつけました。
甘いのも美味しそうだなー。今度ためしてみよう!
cf.

エネルギーをたっぷりチャージ

今年の年末年始は、1年半ぶりに日本で過ごしました。
前半は、実家の群馬(高崎)を中心に、家族で伊香保温泉に行ったり、ニューイヤー駅伝を観戦したり、友人とハーフマラソンを走ったり、スノーボードをしたりしました。
後半は、東京(高円寺)のおばの家に滞在して、友人に会ったり、美術館に行ったり、走ったり!(皇居、井の頭公園、丹沢のトレイル、などなど)
お忙しい中、時間をとってくれたみなさまに感謝!
とっても濃い時間をすごして、エネルギーをたっぷりチャージできました!

今年もますます健康で楽しい年にしたいと思います!

ラフマニノフいろいろ

恩田陸『蜜蜂と遠雷』

以前住んでいた家の大家さんと一緒にごはんをたべました。
音学好きな彼女は、ラフマニノフのピアノ協奏曲に聞き入って、音楽に身をゆだねながら素晴らしいと連呼していました。
私は、クラシックに全然詳しくないですが、壮大でドラマチックないい曲だと思いました。
彼女の聞いていたのは、ヘレーヌ・グリモーの演奏でしたが、家に帰ってから、ネットで盲目のピアニスト、辻井伸行さんが演奏するラフマニノフをみつけました。これもなかなかすごくて驚きです。
ラフマニノフといえば、浅田真央ちゃんも、この曲で演技してましたね。
小説家の恩田陸さんは、ピアノコンクールを舞台にした『蜜蜂と遠雷』という小説を書いていて、そこには、ラフマニノフの他、色々なクラシックの曲がでてくるそうです。表紙も綺麗で、そそられます。
今度、読んでみよう。

cf.
1. Hélène Grimaud – Rachmaninoff – Piano Concerto No. 2 –
2. Nobuyuki Tsujii – Rachmaninoff – Piano Concerto No 2 –
3. Great performance by Mao Asada (Sochi Olympic Games 2014 free program – Rachmaninoff: Piano Concerto no.2 -)
4. “Honeybees and Distant Thunder” Riku Onda

冬が近づいてきた

今朝は、ランニングクラブの練習会に参加しました。
最近、ぐぐっと寒くなってきました。遠くに見える山(Belledonne山脈)にも、雪がつもっています。白くて綺麗!

以下は、Akeboshi さんの ” Beat the snow” という曲。
しずかに近づいてくる冬の足音が聞こえてくるような、綺麗な曲。

cf.
Akeboshi : Beat the snow

神流マウンテン ラン&ウォーク を思い出しながら…

寝坊して、クラブのランニング練習会に間に合わなかったので、裏山をランニングしました。
まずは、いつものようにFort du Mûrier の方へ走り、Bois du Fournet を通り、そこからいつもと違うVilleneuveの方向へ走ってみました。
St.Martin d’Uriageの方まで行くと、向うの山にChêne de Venon (Venonの樫の木)が見えたので、あそこまで行ってみよう!と思い、行ってきました。
Chêne de Venonというのは、 Venonの丘に生えている樫の木で、大きくて立派なので、Arbre Remarquable de France(フランスの名木)にも選定されています。
休日は、こんな風にいきあたりばったりで色々とうろうろできるのが楽しい。
この時期の山は紅葉が綺麗で、落ち葉をふみながら走るのは楽しい。
2012年の秋に、 神流マウンテン ラン&ウォーク という、尊敬するトレイルランナー、鏑木毅さんがプロデュースする大会のロングクラス(40km)を走ったことを思い出しました。大好きな友人と一緒に参加して、ふかふかの落ち葉の中を走るのは気持ちよかったです。
初めて走ったロング(40km以上)でしたが、めでたく入賞できたこともあり、すごくうれしくて、それからますますトレイルランにはまって、どんどん長い距離を走るようになり、ウルトラトレイル大好きランナーになった、というわけです。
フランスに来てからは、ランナーの他に、山歩きの友人も増えて、町や山をうろうろしながら、いろんなコースを開拓する楽しさにもめざめました。

cf.
神流マウンテン ラン&ウォーク
以前、 Chêne de Venon に行った時の記事:“Chêne de Venon (Venonのナラの木)”との再会