月別アーカイブ: 2020年3月

志村けんさん

志村けんさんが、コロナウイルスで亡くなってしまいました。悲しいです…
子どものころ、土曜の夜は「日本むかし話」を見てから「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」を見るのが定番でした。フランスに来てからも、学生たちに日本の早口言葉を紹介するときに、いつもドリフのビデオをみせていました。急なことで、信じられない気持ちでいっぱいです…心からお悔やみ申し上げます。

買い物、エア花見、踏み台昇降など

今日は、1週間ぶりに買い物にいきました。外に出て少し歩くと、風を感じて気持ちいい。
スーパーは、レジ係の人とお客の間には透明のしきりがあるし、店内でもお客同士で距離を気にして、よそよそしくて、警戒しあっているような変な感じでした。イスラエルの歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリさんが、コロナ後の社会は、監視社会になるんじゃないかと言っています。怖いけど、現実味があります。確かに私も、ここ二週間ぐらい学生の様子を知るために、オンライン授業へのアクセス状況を確認する機能をよく使ってました。こういう機能があるのは前から知っていたけど、前は時々しか使っていなかった。

先週は、はりきって開店より少し前にスーパー行ったけど、10人ぐらい行列してました。ちなみに、スーパーには、家族や友人とは一緒に入れなくて、基本的に1人ずつです。店内の人数制限もあるので、1巡目には入れきれなくて、結構待たされました。それからは、1人店内から出たら1人入る、というような感じなんですが、ようやく私の番が来た~!と思ったところで、入店待ちの行列の反対側から歩いてきた年配の女性が、スススススーッと私たちの行列の前を横切って、サッと店内の入ってしまいました。あまりに自然で素早くて一瞬なにが起こったのか分からず。私の後ろにいた人も、おばあさんのあまりにも予想外な行動に、目が点になっていました。唖然!マナーの悪い若者ばかりが取り沙汰されるけど、こういうお年寄りもいるんだなぁ。。。

ウェザーニュースが、お花見VRというサイトを作っていて、バーチャルでお花見ができるそうです。日本の花見の名所の映像が自分の好きな角度から楽しめるのは面白そうだなと、ためしに見てみたら、自分でもなんでなのか分からないけど、急に涙がでてきた。綺麗だから?感傷的になっているから?それとも、本物じゃなくて映像で花見をしているのが悲しいから?本当に自分でもよく分からなかった。

最近は、心と体の健康のため、家にある椅子を使って、踏み台昇降みたいな運動をしています。なかなかいい汗をかきます!それと、気晴らしに、絵を描いたり。
今まで気づかなかったけど、うちからは、鳥の声がよく聞こえます。最近、前にもましてパソコンばかり使っているので、目が疲れるし、手は腱鞘炎になりそうです。昼ごはんを食べたあと、ちょっと目をつぶってゆっくりボーッとする時間をとっています。

鳥の声:

 

Les Frangines – Donnez-moi (Clip Officiel) シンプルで明るい気持ちになれる曲。
Pomme – anxiété  Pomme – anxiété Pommeの声はとっても素敵です。Pommeは、フランス語で「りんご」、anxiétéは「不安」という意味。
Pomme – anxiété (autoharp session)オートハープのバージョンもかわいくていい感じ!

コロナウイルスとconfinement (コンフィヌマン)

最近よく、報道や友達との会話の中で「confinement (コンフィヌマン)」という言葉を耳にします。日本語だと、自宅にとどまってて外出をしないこと、「自宅待機」や「外出禁止」にあたる言葉だと思うのですが、気になったので調べてみました。confinement (コンフィヌマン)は、confinerという動詞からできた名詞で、confinement のcom-は、「いっしょに、ともに」という意味、confinementのfinisは、「終わり」という意味であることから、あわせて、「閉じ込めること」、「閉じこもること」、「監禁」、「幽閉」、「移動の制限」、法律用語の「独房監禁」などの意味があるようです。この意味の他に、中世には、「出産」とか「分娩」という意味もあったようです。出産するときにどこかに閉じこもるからかなぁ。それとも、あかちゃんとお母さんがいっしょにいることの終わりっていうことから、出産を意味することになったのかなぁ。

ちなみに、se confiner という動詞には、「閉じこもる」の他に、「何かに没頭する・専念する」という意味があります。

わたしは根がひきこもり体質なのか、家で自分の世界に閉じこもるのは結構好きかもしれません。誰にもじゃまされないで、好きなことに没頭できるので。でも、コロナウイルスの心配をしながら、外出できず、長い時間ずーっと室内にいると、かなりふさいだ気もちになります。友達の家に行ったり、ジョギングしたり、山に行ったりしてはいけないという厳格な規制には、うんざり。。。!外で運動できないのは本当につらい!!!

外出禁止になってから、毎晩8時には、みんなで拍手をしています!最前線でたたかっている医療関係者をはげますためです。拍手の音は、日に日に大きくなって、拍手だけじゃなくて、叫んだり何かを叩いたりしてにぎやかに音をだしてます。まるでお祭り!!フランス人は明るいなぁ!

今朝も、お隣の家の屋上に「torterelle(キジバト)」がやってきました。首のところの黒い輪っかがとっても綺麗でかわいい。

幸いなことに、今はテクノロジーがあるので、離れた場所にいる人とも家族や友達とも連絡がとれるし、仕事も継続できるので、よかったです。この前は、いつも対面でやっているクラスをオンラインでしました。週末は、友達とビデオで通話しながらごはん食べたりして、こんなこと、今までしたことなかったから、ちょっと面白かった。人と会話したり、人の顔をみたりすると、元気がでるんだなー、と改めて実感。家に庭があったり、ランニングマシーンやエアロバイクがある人はうらやましいなぁ!と思うけど、何もないアパートでもできることはあるから、いろいろ工夫してやっていきたいと思います!いつまでが続くのか、まだわからないですが、きっとこれが終わったら、外に出て普通に生活できることに、すごい幸せを感じちゃうんだろうなー。と想像してます。

cf.
France info : 8時の拍手のニュース
Le dauphiné Libéré : イゼール県 グルノーブル・ヴェルコールのローカルニュース
Wiki : Confinement

近況:いろいろありますが元気です。

コロナウイルスの影響で、カフェやレストラン、映画館などが昨日の夜から閉鎖になりました。来週の月曜からは、私の働いている大学も閉鎖。今は、学生たちが自宅でも勉強を続けられるようオンライン授業のための準備におわれています。オンラインでの授業は、いろんな可能性があるのでもともと興味があったけど、こんなに大規模にやるのは初めて。どうなるのかなぁと不安もありつつ、この機会に色々ためしてみよう!と思ってます。今日はカフェが閉まっていたので、同僚の家で今後のことなどを相談したあと、お昼ごはん(カレー)もいただきました。誰かがつくってくれるごはんは美味しい!おしゃべりしてごはん食べたら、気分が明るくなった!


これからどうなるのか分からなくて落ち着かない日々が続いて、3月、4月にエントリーしていたトレイルやマラソンのレースものきなみ中止でなんだか悲しいですが、よかったことは、最近バタバタ忙しく、なかなかたちどまって考える時間がなかったけど、少し余裕ができて、色々ふりかえったりする時間ができたことかな。あとは、大気汚染の改善したこと。

ランニングは感染のリスクが低い活動ということで、午後は近所を走りました。ぽかぽかあたたかく、お花も咲いて、春~を感じて気持ち良かった!

門田隆将さんの本、「死の淵を見た男-吉田昌郎と福島第一原発-」

ジャーナリストでノンフィクション作家の門田隆将さんの本、「死の淵を見た男-吉田昌郎と福島第一原発-」を読みました。2011年3月11日に東日本大震災が起きたとき、福島の原発で起きていたことが書かれている本です。事実に基づいた内容で難しい専門用語はなく、専門家でない私でもとても読みやすく、一気に読んでしまいました。現場の人たちの思いやその背景も丁寧に書かれていて、今まで知らなかったあの時の現場の人たちの気持ちや行動を知ることができました。緊迫した状況の中で、一番大切なものは何なのかを瞬時に判断して、冷静に勇敢に対応した吉田所長にはとても感動しました。そして、吉田所長をはじめ、現場で最後まであきらめずにたたかってくれた人たちに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

あの時、私は福島から大分はなれた東京(新宿)の会社にいたけれど、棚から本がバサバサ落ちたり、コピー機が飛んだりと、今まで経験したことのないくらいの長くて大きな揺れでした。電車がとまっているので何時間も歩いて家に帰ったこと、道路を歩く人の行列がなんだか戦時中みたいで怖いなと感じたこと、その後次々と起こる予想を超える事態に、日本はもうだめになってしまうのかな、普通に息をしたり走ったりするのもできなくなってしまうのかと不安に思ったこと、現実味が持てなくて、自分が映画の中にいるようだなと思ったこと、色々な情報が飛び交って何を信じていいかわからないので何とかして本当のことを知ろうとしたことなど、この本を読みながらあの時の記憶がよみがえってきました。

日本では、3月6日(金)に、この本を原作とした映画「Fukushima50」が公開されたそうです。本を読んだあと、この映画の予告編も見たら、また涙が出そうになりました。

幸いにも、彼らのおかげで最悪の事態は免れたけど、この事故で多くの方が亡くなった。原発の廃炉や汚染水処理はまだまだ終わっていなくて、今後も膨大な時間とお金がかかる。人間は、本当に途方もないものを作ってしまった。。。