月別アーカイブ: 2020年5月
新緑と鳥!
先週末は、久しぶりに少し長い時間、山の中を走りました。
もう5月も終わりなので、春というよりは、初夏という感じで、ブナの新緑の緑がとっても綺麗。
葉っぱに日が当たるとちょっと緑が透ける感じで、こういう緑、ずっと見ていたい。
今月の初めまで、外出制限で公園も閉鎖されていたり、半径1キロ以内から出られなかったときは、近所にある道端の草花や、鳥の声に癒されていたけど、やっぱり少しでも足をのばすと、もっと自然があって、肌に感じる空気も心地いい。出歩く距離が減って、すっかり体がなまってしまったけど、鳥の声には、前より敏感になった。Julien Perrot さんの鳥の声レッスンのおかげかな。
ビートルズの曲「Blackbird」にも出てくるBlackbird(フランス語だとMerle noir メルル ノワール)は、本当に鳴き声がきれい。 Julien Perrot さんの鳥の声レッスン11では、3:20あたりに出てきます。
走りながら、少し私も鳥の声を録音してみました(笑)
古川日出男さんの『おおきな森』
Youtubeで、古川日出男さんの朗読を聞いて、これは凄そうと思って、本も読んでみたら、やっぱり凄かった!
本のタイトルにある「森」という漢字も、漢字の森じゃなくて、その下にもう3つ、木が入っているように、この本の中には、漢字の読み、意味、形をつかった遊びがたくさん入っていました。文字の書き方(縦書き、横書き、空白)にもすごく心を配って書いていて、読みながら惚れ惚れです。あらためて思うけど、日本語には、漢字、ひらがな、カタカナと3種類もの文字が入っていて、他の外国語と比べてもとっても表現力が豊かだなぁ、と。ためしに「すごい!」をいろんな書き方で書いてみたら、やっぱりニュアンスが違ってて、面白い。
すごい!
スゴイ!
凄い!
SUGOI !
この本を読んでいると、なんだかジェットコースターにのっているような気分でした。というのも、文のリズムがバシバシ切りわって、ゆっくりと静かに進んでいるかと~と思ったら急にドドドドドッと展開が早まったり、シリアスな話の中に、サラっと爆笑ネタが入っていたりで。こんな小説が書けるのは、本当にすごいなぁ。古川日出男さんは、小説を書くだけでなく、舞台をやっている人らしく、会話はとてもリズミカルで面白かった。
この本の中には、坂口安吾や宮沢賢治の他、ガルシア・マルケス、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、フリオ・コルタサルなど、彼が影響を受けた作家の名前がたくさん出てきた。こんなすごい本を書く人が影響を受けた作家たちは、どんな人たちなんだろう。そっちにも興味がでてきた。
個人的には、本の登場人物の中では、振男・猿=コルタ(フリオ・コルタサル)が、お気に入りです!
まずは、朗読を聞いてみて、もし興味があったら本もぜひ読んでみてください。
cf.
– 【朗読】『おおきな森』著者・古川日出男が魂の朗読。【第一の森】
– 【朗読】『おおきな森』著者・古川日出男が魂の朗読。【第二の森】
– 【朗読】『おおきな森』著者・古川日出男が魂の朗読。【消滅する海】
« inoubliable » という言葉
« inoubliable »(忘れられない)という言葉の音や意味が気に入ったので、「in」で始まり「able」や「ible」で終わる言葉が他にもないか探してみたら、とってもたくさんありました。
せっかくなので、見つけた単語を一覧にして、NaturalReaderという合成音声をつかって、フランス人のソフィアさんにしゃべらせてみました!続けて聞くとちょっと面白かったです。
音声はこちらです。(長いですが、一覧表も下に載せました。)
フランス語 |
英語 |
日本語 |
inoubliable | unforgettable | 忘れられない★ |
inabordable | unapproachable | 近よれない |
inacceptable | unacceptable | 承諾できない |
inadmissible | inadmissible | 認められない★ |
incalculable | incalculable | 数えきれない |
incroyable | incredible | 信じられない★ |
incomparable | incomparable | 比較できない、比類のない |
incompatible | incompatible | 両立しない |
incompréhensible | incomprehensible | 理解できない |
inconfortable | uncomfortable | 快適でない |
inconsolable | inconsolable | なぐさめようのない |
incontestable | incontestable | 議論の余地のない |
incontournable | unavoidable | 避けて通れない |
incorrigible | incorrigible | 矯正できない |
incurable | incurable | 治らない |
indéniable | undeniable | 否定できない |
indescriptible | indescribable | 描写できない |
insupportable | unbearable | 耐えられない★ |
inséparable | inseparable | 切り離せない |
intarissable | inexhaustible | 話のつきない |
intelligible | intelligible | 理解できる |
intenable | untenable | 耐えられない |
interchangeable | interchangeable | 交換できる |
interminable | interminable | 際限のない |
intolérable | intolerable | 耐えられない |
intraduisible | untranslatable | 翻訳できない |
inutilisable | unusable | 使えない |
invisible | Invisible | 目にみえない★ |
invivable | unsustainable | つきあいきれない |
invraisemblable | incredible | 本当らしくない |
invulnérable | Invulnerable | 不死身の、不屈の★ |
その中でも★の5つの単語は特に気に入ったので、その単語を使って会話をつくってみました~。
今週のイラスト
外出制限中に絵を描くのにはまってます。ちょっとマンネリ化してきたので、普通のペンじゃなくて、筆ペンで描いてみました。
黒部の山賊
鳥と読書
部屋の窓から見える大きな木。たぶん、オウシュウトウヒ (épicea) です。普段は全然気にしていなかったけど、最近は毎日眺めてます。この木には、たくさんの鳥たちがやってきて、鳴き声に癒されています。
兵庫に住む友人の J子も、最近は、散歩の時に双眼鏡を持ってよく鳥の観察をしているようで、この前は「ケリ」という鳥の親子に遭遇したそう。「ケリ」は警戒心が強くてずっと鳴きっぱなしだったそうですが、J子の描いたイラストが破壊力満点で大爆笑だったので、許可をもらってここにも載せました。
ところで、この前、「カモメに飛ぶことを教えた猫」という本を読みました。フランスの学生たちは、どんな本が好きなのかなぁ、と気になって聞いてみたときに教えてもらった本です。学生が見せてくれた本の表紙がとてもかわいくて、一目ぼれして読んでみたら、すごくよかったです。ほのぼのして面白く、子どもも読めるような話ですが、内容は深くて、仲間や助け合い、異文化理解などについても考えさせられます。本当は紙の本が欲しかったけど売り切れていたので、kindle版でとり急ぎ読みましたが、手元に本を置いておきたいので、あとで本も買いたいと思います!短い話で、すぐに読めますので、興味のある方は是非読んでみてください!
この本を書いたのは、チリ人の作家ルイス・セプルベダ(Luis Sepulveda)、日本語のタイトルも長いけど、原作(スペイン語)や、フランス語訳のタイトルはこんな感じで、もっと長いです!
– スペイン語タイトル「Historia de una gaviota y del gato que le enseñó a volar」
– フランス語タイトル「Histoire d’une mouette et du chat qui lui apprit à voler」
こうやって見ると、フランス語とスペイン語って、本当に似てるなぁ。
家で過ごす時間が増えたので、こんな感じで最近は前よりよく本を読んでますが、本で読んだ作品を映画や舞台で見てみたり、昔読んだ本をまた繰り返し読んだりすると、30%ぐらいしか分からなかったのが60、70%ぐらいに分かるようになったり、逆に新たな疑問が出てきたりして面白い。
フランスの学生たちにおすすめしてもらった本は、この他にもたくさんあります。フランスや日本の作品の他、イギリス、韓国、中国、アメリカ、ブラジルの本など、いろいろで面白かったので、忘れないようにリストにしてみました。興味のある方はぜひ見てみてください~。
cf.
フランスの大学生(日本語科の1年生)がおすすめしてくれた本
『アルケミスト – 夢を旅した少年』パウロ・コエーリョ(ブラジル)
『あん』ドリアン助川(日)
『エラゴン 遺志を継ぐ者』クリストファー・パオリーニ(米)
『カモメに飛ぶことを教えた猫』ルイス・セプルベダ (チリ)
『刑務所のリタ・ヘイワース』スティーヴン・キング(米)
『氷と炎の歌』ジョージ・R・R・マーティン(米)
『シャイニング』スティーブン・キング(米)
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